| 地元ひたちなか市に生まれ、16歳より東京の叔父の元で修行生活を送りこの道一筋で現在53歳。「職人」という努力と忍耐があたりまえの厳しい世界に身をおきながら、そんなことを少しも感じさせない笑顔がとても印象的だ。萱内さんは、現在失われつつある日本の大工技術を現在に受け継ぐ数少ない大工さんのひとりである。
「大工」の仕事は木を「読む」ことからはじまる。性質を見極めてどの部分にどの木を使うか、どう組めば強いのかを一本ずつ確かめながら「墨付け」を行う。墨付けを行う萱内さんの頭の中にはすでに「完成した家」が描かれている。
「墨付けは真剣勝負。一瞬だって気は抜けないよね。」
迷いのない墨付けはベテラン職人だからこそできること。その墨付けをもとに一本ずつ木と対話しながら「刻み」を行う。萱内さんは、木を読んでどう刻むかという昔ながらの伝統工法を知る職人さんだ。
刻みを終えると「棟上げ」に入る。この木はそこに、あの木はここに、と大事に組み上げられて上棟式(建前)を迎える。
「建前は恐いよね。近所の人や親戚の人みんなが集まって審査するんだから、やっぱり緊張するよ。けど、この日のためにコツコツやってきたのがこの先何十年もそこにあるんだって思ったら嬉しいよね。自分でやったから木の一本一本覚えてるし、苦労した分建前の酒もうまい。」
今では行われる事が少なくなった上棟式だが、大工さんにとっては手間をかけて棟上げたものを披露できる晴れの日なのである。
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